オーストラリア小児科サーベイランスユニット(APSU)年次サーベイランスレポート2023。
DOI:10.33321/cdi.2025.49.019
アブストラクト
オーストラリア小児科サーベイランスユニット(APSU)は、30年以上にわたって、小児期および乳幼児期のまれな伝染性疾患および伝染性疾患の合併症の前向き全国サーベイランスを行ってきた。2023年、APSUのサーベイランス下にある伝染病および伝染病の合併症は15疾患であった:急性弛緩性麻痺(AFP)、先天性サイトメガロウイルス(cCMV)、デング熱、重症急性肝炎(SAH)、新生児・乳児単純ヘルペスウイルス(HSV)感染、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)への周産期曝露および小児HIV感染、インフルエンザの重症合併症、若年性再発性呼吸器乳頭腫症(JoRRP)、Q熱、先天性風疹感染症・症候群、先天性水痘症候群(CVS)、新生児水痘感染症(NVI)のほか、SARS-CoV-2に一時的に関連した小児炎症性多臓器症候群(PIMS-TS)と日本脳炎ウイルス(JEV)感染症の2つの感染症が新たに報告された。2023年のAPSUサーベイランスの結果、5年ぶりに重症インフルエンザ患者が著しく増加し、B型インフルエンザに関連した合併症が増加した。APSUはまた、デング熱、Q熱、PIMS-TSといった稀な新興感染症の症例報告も受けた。さらに、ワクチンで予防可能なJoRRP、HIVの母子感染、新生児HSVによる死亡の持続性が示された。