Fabry Outcome SurveyとGaucher Outcome Surveyのデータを用いた自己投与による酵素補充療法の安全性解析。
DOI:10.1186/s13023-024-03416-2
アブストラクト
背景:ファブリー病とゴーシェ病は、それぞれα-ガラクトシダーゼAとβ-グルコセレブロシダーゼの酵素欠損によるスフィンゴ糖脂質の分解不全を特徴とするまれな遺伝性疾患であり、しばしば生涯にわたる治療が必要である。これらの疾患の治療法には、酵素補充療法(ERT)によって欠損酵素を補充する方法がある。ファブリー病に対するアガルシダーゼアルファとゴーシェ病に対するベラグルセラーゼアルファは、有効性、安全性、忍容性が実証された2つのERTである。診療所/病院または患者の自宅で医療従事者(HCP)が投与するERT輸液は、HCP支援輸液とみなされる。患者、パートナー、親族、または介護者による)ERTの自己投与は、自宅でのHCP支援輸液に耐容性があり、適切な自宅環境がある患者では任意である。この解析では、Fabry Outcome Survey(FOS)とGaucher Outcome Survey(GOS)の登録データを用いて、アガルシダーゼアルファ(202例)とベラグルセラーゼアルファ(30例)の自己投与とHCP支援輸液の安全性プロファイルを検討した。
結果:2つのレジストリに記録された輸液関連反応(IRR)有害事象(AE)の頻度は、自己投与患者(FOS:4.5%、GOS:0%)とHCP支援輸液を受けた患者(FOS:13.6%、GOS:1.6%)で低かった。FOSレジストリでは、追跡期間100患者年(100PY)あたりのAE発生率は、自己投与群(7.99)とHCP支援点滴群(6.78)で同程度であった。アガルシダーゼ アルファの自己投与群では、心障害が最も多く報告され(19 例[9.4%])、重篤な有害事象(12 例[5.9%])および消化器障害が最も多く報告された IRR(3例[1.5%])であった。GOSレジストリでは、100PYあたりのAE発生率は自己投与群(4.97)とHCP支援注入群(4.67)で同程度であった。ベラグルセラーゼ アルファ自己投与群では、皮膚・皮下障害(4 件[13.3%])および感染症・蔓延(2 件[6.7%])がそれぞれ最も多く報告された AE および重篤な AE であり、IRR は報告されなかった。
結論:これらの所見から、アガルシダーゼアルファまたはベラグルセラーゼアルファの自己投与は、HCPがサポートする輸液と比較してさらなる安全性リスクとは関連せず、適格な患者にとって適切な選択肢であることが示唆された。これらの知見を支持し、ERT自己投与の長期安全性と有効性をさらに検討するために、さらなる研究が必要である。FOS試験登録:ClinicalTrials.gov, NCT03289065。2001年4月1日登録、https://clinicaltrials.gov/study/NCT03289065 。GOS試験登録:ClinicalTrials.gov, NCT03291223。2010年7月27日登録、https://classic。
Clinicaltrials: gov/ct2/show/NCT03291223 。
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