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モザンビーク、マプトでケアを受けている2歳未満の小児における呼吸器合胞体ウイルス感染の経済的負担の推定。

DOI:10.7189/jogh.15.04076

アブストラクト

背景:低・中所得国における呼吸器合胞体ウイルス(RSV)の費用に関するデータは、最近開発されたワクチンの導入に役立てるために早急に必要である。我々は、モザンビークにおけるRSV感染に関連する下気道感染症の費用を推定した。

方法:モザンビークのRSVシーズン(2023年2月~8月)に、紹介病院または一次医療機関で治療を受けた2歳未満の小児のRSV感染による家計および社会的コストを評価するため、前向きコホート研究を実施した。RSV感染の有無の確認には、分子レベルのポイントオブケア検査を用いた。初診時および退院後2~4週の病院記録と患者レベルのアンケートから、直接的な医療費と非医療費、間接的な費用データを収集した。

結果:544例の小児を採用した。52.6%が女児で、年齢中央値は9.3ヵ月であった。外来から286人、小児病棟から233人、集中治療室(ICU)から25人を抽出した。外来患者42例(14.7%)、入院患者111例(47.6%)、ICU6例(24.0%)でRSVが確認された。RSVに関連する平均総費用は、外来患者が43USドル(95%信頼区間(CI)=11-76)、入院患者が612USドル(95%CI=544-680)、ICU症例が1161USドル(95%CI=837-1485)であった。政府は、外来患者、入院患者、ICU患者の社会全体の費用のそれぞれ16.9%、89.9%、80.0%を負担した。生命を脅かすRSV症例の平均家計負担額は、最低賃金月額の91米ドルの1.5倍以上であり、モザンビークの家計に大きな負担をもたらした。

結論:RSV感染症は、2歳未満の小児に大きな医療的・経済的負担を強いる。今回の結果は、モザンビークにおけるRSV予防接種を検討する際に、費用対効果分析と十分な情報に基づいた意思決定のためのインプットを提供するものである。

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