幼児期から成人期にかけてのゴーシェ病3型:運動失調と認知機能障害に関連する徴候、症状、影響の概念モデル。
DOI:10.1186/s13023-025-03654-y
アブストラクト
背景:ゴーシェ病3型(GD3)は、多様な神経学的・全身的症状を特徴とするライソゾーム貯蔵病である。運動失調、認知障害、その他の全身症状は、日常生活やQOLに大きな影響を及ぼす。出生から成人期までのGD3患者の疾患概念モデルを開発することにより、疾患の進行の客観的なモニタリングと治療効果の評価が可能となる。
方法:患者の経験を理解するために、文献調査、臨床専門家とのインタビュー、英国と米国に住む患者とその介護者とのインタビューを行った。インタビューは文字に起こし、非特定データを分析して、運動失調、認知障害、その他の全身的障害の徴候、症状、影響を特定した。出生から成人までに経験した関連する徴候、症状、影響を統合して概念モデルを作成した。
結果:発表された3つの科学論文からGD3の症状および影響を検討し、6人の臨床専門家、12人のGD3患者、12人の介護者と面談した結果、GD3に関連する58の患者経験概念が同定された。運動失調に関連する徴候や症状は生後3年間に現れ、5歳を超えても持続するが、神経認知に関連する徴候や症状は生後遅くに現れる。視線移動および/または物体追跡の困難、運動失調、振戦、記憶障害、新しい情報の処理困難、疲労、骨痛がGD3の最も顕著な概念である。5歳以下の患者では、神経認知的徴候や症状よりも運動症状や症状の方がはるかに多い。仕事や学業ができないこと、社会的・家族的関与が制限されること、移動(歩行、運転、公共交通機関)が制限されること、自立度が低下することが、GD3患者に最も重要な影響を与えた。
結論:GD3の症状、特に神経筋と神経認知の徴候、症状、影響には、GD3患者のすべての年齢層にわたって不均一性が存在する。本研究で開発された概念モデルは、GD3患者における疾患の包括的理解を提供した。
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