自己申告による学童のニッケルアレルギー:有病率、危険因子、アトピー合併症の傾向。
DOI:10.2340/actadv.v105.42425
アブストラクト
ニッケルアレルギーは小児に多い。本研究では、小児における自己申告によるニッケルアレルギーの有病傾向、危険因子、アトピー併存症を調査した。スウェーデンのノルボッテン郡の8歳児を1996年(n=3,430)、2006年(n=2,585)、2017年(n=2,785)に募集した。自己申告によるニッケルアレルギーは7.7%(2006年)から6.1%(2017年;p=0.024)に減少し、女児に有意に多かった。1996年には、アトピー性皮膚炎の小児のみがニッケルアレルギーに関する質問に回答していた。アトピー性皮膚炎の子どもでは、1996年から2017年にかけて有意な減少はみられなかった。2006年と2017年のそれぞれにおいて、耳ピアス(オッズ比[OR]1.93、95%信頼区間[CI]1.39-2.68、OR 5.57、95%CI 3.71-8.38)と女性(OR 4.05、95%CI 2.68-6.13、OR 1.73、95%CI 1.09-2.74)は、自己申告によるニッケルアレルギーの危険因子であった。2006年(12.3% vs 6.4%;p<0.001)および2017年(11.5% vs 5.1%;p<0.001)において、自己申告によるニッケルアレルギーは、アトピー性皮膚炎を有する小児において有さない小児よりも有意に多く、2017年(8.6% vs 4.7%;p=0.015)においてアレルギー性鼻炎を有する小児において有意に多かった。結論として、自己申告によるニッケルアレルギーの有病率は減少していたが、アトピー性皮膚炎の小児では減少していなかった。耳ピアスおよび女性の性別は、ニッケルアレルギーと強く関連していた。また、ニッケルアレルギーはアトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎と関連していることが示唆された。