2023年のウラル連邦管区と西シベリアにおける非ポリオ・エンテロウイルスの循環:旧敵の再来か?
DOI:10.1007/s00705-025-06284-8
アブストラクト
ヒト非ポリオエンテロウイルス(NPEV)は、手足口病(HFMD)、ヘルパンギーナ、無菌性髄膜炎など幅広い疾患を引き起こす。本研究では、2019~2023年にロシアのウラル連邦管区および西シベリアで、さまざまなNPEV関連疾患の患者におけるNPEV感染の発生率を調査し、2023年に循環している主な遺伝子型を同定し、それらの疫学的特徴を解析した。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によりNPEV陽性と判定された計384検体を、VP1遺伝子に特異的なセミネステッドPCRにより遺伝子型判定した。エンテロウイルスAは全検体の57.2%、エンテロウイルスBは41%、エンテロウイルスCは1.8%であった。コクサッキーウイルスA6(CVA6)はHFMD症例で最も一般的な遺伝子型であった。エコーウイルス30(E30)は無菌性髄膜炎患者に多く、コクサッキーウイルスA2は主にヘルパンギーナに関連していた。系統学的解析の結果、本研究で同定されたCVA6株のほとんどは中国で循環している株と密接な遺伝的関係を示し、研究地域で循環しているE30遺伝子型はサブジェノタイプVに属していた。
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