シドフォビル療法による同種造血幹細胞移植を受ける小児患者におけるBKウイルス関連出血性膀胱炎の予防。
DOI:10.1111/petr.70096
アブストラクト
目的:本前向き観察研究では、同種造血幹細胞移植(Allo-HSCT)を受ける小児患者において、BKウイルス(BKV)関連出血性膀胱炎(HC)の予防的治療としてのシドフォビル(CDV)の役割を調査することを目的とします。
方法:本研究では、2020年1月から2022年1月までの期間に、同種造血幹細胞移植(Allo-HSCT)後にCDVの予防的治療を受けた28例と、水分補給と鎮痛薬を含む標準的な支持療法を受けたAllo-HSCT患者25例を登録しました。CDV予防投与群の患者は、HSCT後4週間、週1回1mg/kgのCDVを静脈内投与しました。HSCT後1、2、3、4、5週目に、全対象患者の尿中のBKV(BKV-DNA)のコピー数をPCR法で検出しました。
結果:第3週以降、CDV予防投与群のBKVコピー数は、その後の時点において従来の治療群よりも有意に低かったです。急性移植片対宿主病(aGVHD)、サイトメガロウイルス感染、およびBKVコピー数の割合は、CDV群において従来の治療群よりも有意に低かったです。さらに、非HC群においてCDV予防投与を受けた患者の割合は有意に高かったです。受容者操作特性曲線解析により、BKVコピー数はHCの発生と重症度を予測できることが示されました。さらに、ロジスティック回帰解析により、aGVHD、BKVコピー数、およびCDV予防投与が、Allo-HSCT後の患者におけるHCの発生リスク因子であることが同定されました。
結論:本研究では、文献で初めて、CDVによる予防的治療がBKV関連出血性膀胱炎の発生率を有意に減少させることを明らかにしました。
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