自閉症スペクトラム障害、てんかん、および神経発達遅延を呈する患者において、新規に同定されたMARK2遺伝子変異。
DOI:10.1007/s10048-025-00831-w
アブストラクト
自閉症スペクトラム障害(ASD)は、発達遅延やてんかんを伴うことが多く見られる神経発達障害です。遺伝的要因が重要な役割を果たすことが次第に明らかになっており、MARK2遺伝子の変異が神経発達障害と関連していることが示唆されています。しかし、MARK2変異とヒト疾患との関連性を示す臨床報告は依然として限定的です。ASD、発達遅延、てんかんを呈する患者に対し、エクソームシーケンス(ES)を実施しました。ACMGガイドラインに従い、遺伝パターン、人口アレル頻度、臨床的関連性を基に候補変異を優先順位付けしました。家族内での変異の検証にはサンガーシーケンスを用いました。患者は5歳の男性で、ASD、てんかん、発達遅延を呈していました。脳MRIは正常でしたが、脳波検査では右後頭葉および後側頭葉領域に鋭く遅い波形を示す異常な脳波所見が認められました。ESにより、患者においてMARK2遺伝子(c.645_646insA, p.(Ala216Serfs*12))のフレームシフト変異が同定されました。これは新規変異であり、サンガーシーケンスで確認されました。本研究は、MARK2関連神経発達障害の遺伝子型スペクトルの拡大に貢献します。自閉症スペクトラム障害、発達遅延、てんかんを呈する患者において、新規のフレームシフト変異が同定されました。これらの結果は、MARK2が疾患関連遺伝子としての役割を支持するさらなる証拠を提供し、その神経発達における潜在的な役割を強調しています。
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