デジタル支援的監督(DiSS)がインドにおける母子保健サービス利用範囲に及ぼす影響:順次的混合手法準実験研究
DOI:10.1136/bmjopen-2025-099539
アブストラクト
目的:インド・ラジャスタン州における母子保健サービスへのデジタル支援型スーパービジョン(DiSS)の導入がサービス利用に与える影響を評価するとともに、DiSS実施における認識された促進要因と障壁を探る。
デザイン: 連続的混合研究法を採用した。2016年4月から2023年3月までの月次サービス実績データを対照群を用いた中断時系列分析(ITS)で解析した後、質的深層キーインフォーマントインタビューを実施した。
設定: 本研究はインド・ラジャスタン州のプライマリヘルスケアレベルを舞台とし、村レベルで実施される母子保健・栄養(MCHN)セッションを通じて必須の母子保健サービスが提供されている。参加者: デジタル監督下でのMCHNセッション実施割合に基づき、DiSS導入率の高い2地区を介入地区として選定し、対照地区として2地区をマッチングさせた準実験的デザインを構築した。 定量的分析では、妊娠・児童追跡・保健サービスデータベースから抽出された日常データを用い、ITS(時系列分断回帰分析)によるサービス利用の時間的変化を評価した。定性的分析では、介入地区の監督者(DiSS監督量でランク付け)を目的抽出し、テーマの飽和が得られるまでインタビューを実施(n=18)。
介入内容:ラジャスタン州におけるMCHNセッションの従来型紙ベース支援監督を、DiSSツールによるデジタル化で介入。州・地区・ブロック・セクター各レベルの監督者がスマートフォン/タブレットでMCHNセッションデータをオフライン記録し、提出時にダッシュボード上で自動分析・報告される仕組み。
アウトカム指標:本研究は、ラジャスタン州におけるDiSS導入後のMCHNサービス利用率の月次変化を測定することを目的とした。結果:介入群では五価ワクチンおよび不活化ポリオワクチンの接種率が有意に改善したのに対し、対照群では変化が認められなかった。 両群とも妊婦の鉄分・葉酸補給、小児のBCG・B型肝炎出生時接種・麻疹ワクチン接種率で有意な改善が見られ、介入群でより大きな増加が確認された。特筆すべきは、対照群で肺炎球菌結合型ワクチン接種率が大幅に低下した一方、介入群では有意な変化が認められなかった点である。導入初期のデジタルリテラシー不足とAndroid端末限定のデジタルアプリケーション互換性が主な障壁となった。 促進要因としては、ユーザーフレンドリーなインターフェース、オフライン機能、GISベースのモニタリング、自動レポート生成が、支援的監督(SS)の適時性・説明責任・効率性を高めると報告された。これによりフィードバックループが強化され、プログラム管理者が欠点を迅速に特定・対処する能力が向上した。結論:DiSSは医療システムを強化し、母子保健サービス(MCHN)の利用を大幅に改善する可能性を秘めている。
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