象徴的なジェスチャーの理解課題を用いた、バイリンガル児における言語発達障害のスクリーニング。
DOI:10.1044/2025_LSHSS-25-00059
アブストラクト
背景:単一言語の標準化テストを用いた従来の言語評価では、言語経験の差異により、バイリンガルの子どもにおいて誤診が生じることが多い。象徴的ジェスチャーと言語能力の間には強い関連性があるため、象徴的ジェスチャー理解課題は、言語発話を必要としないことから、発達性言語障害(biDLD)を持つバイリンガルの子どもに対する効果的なスクリーニングツールとなり得る。そこで、我々はこのようなスクリーニングツールの可能性と妥当性を検討した。
方法:我々は、子どもがジェスチャーを観察し、4つの選択肢から対応する画像を選択する「象徴的ジェスチャー理解課題」を開発した。この課題は、3歳から9歳までの通常発達を示す単一言語話者(moTD)70名、通常発達を示すバイリンガル(biTD)70名、およびbiDLD 40名によって実施された。さらに、ジェスチャーの成績と言語能力との関係を明らかにするため、言語検査も実施した。
結果:ジェスチャー課題の成績は年齢とともに向上し、群間比較ではmoTDおよびbiTDがbiDLDを上回った。本課題は言語経験の影響を受けなかったものの、個人レベルでの診断精度は68.18%であった。さらに、biDLDにおいてジェスチャーの成績は語彙・意味能力と関連しており、本課題は著しい意味的障害を有する児童に対して最も感度が高いことが示唆された。
結論:象徴的ジェスチャー理解課題は集団レベルでは発達性言語障害のある児童とない児童を区別できたものの、個人レベルでの診断精度は依然として限定的である。この課題を修正した形式で用いた場合にスクリーニング課題としての可能性が残っているか、またジェスチャー理解が言語能力とどのように関連しているかを明らかにするためには、さらなる研究が必要である。
補足資料: https://doi.org/10.23641/asha.31211821.
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