ムコ多糖症I-VIIにおける大動脈基部拡張。
DOI:10.3390/ijms17122004
アブストラクト
ムコ多糖症(MPS)における大動脈起始部拡張症(ARD)の有病率はあまり報告されていない。我々は、Children's Hospital of Orange County(CHOC)のMPS患者34人の大動脈起始部の測定値を調査した。診断、治療状況、年齢、性別、身長、体重、大動脈基部パラメータ(大動脈弁輪(AVA)、バルサルバ洞(SoV)、洞管接合部(STJ))を、レトロスペクティブなカルテレビューと心エコー検査によって抽出した。記述統計、ANOVA、paired post-hoc -testsを大動脈寸法の要約に用いた。SoVで2以上のスコアと定義されたARDについて、正確な二項95%信頼区間(CI)が構築された。患者の年齢は3.4~25.9歳(平均13.3±6.1)、身長は0.87~1.62m(平均1.24±0.21)、体重は14.1~84.5kg(平均34.4±18.0)であった。AVAの拡張有病率は41%(14/34;95%CI:25%-59%)、SoVの拡張有病率は35%(12/34;95%CI:20%-54%)、STJの拡張有病率は30%(9/30;95%CI:15%-49%)であった。ARDの有病率が最も高かったのはMPS IVa(87.5%)であった。造血幹細胞移植(HSCT)または酵素補充療法(ERT)を受けたMPS患者と未治療のMPS患者の平均zスコアの間に有意差はなかった。AVA(=1.9±2.5対=1.5±2.4;=0.62)、SoV(=1.2±1.6対=1.3±2.2;=0.79)、STJ(=1.0±1.8対=1.2±1.6;=0.83)において、未治療のMPS患者との間に有意差はなかった。ARDの有病率は、我々のMPS I-VII患者コホートでは35%であった。したがって、この患者集団ではARDのスクリーニングを日常的に行うことを推奨する。
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