幼児におけるAlagille症候群の画像所見:胆道閉鎖症との鑑別。
DOI:10.1259/bjr.20170406
アブストラクト
目的:胆汁うっ滞性黄疸を有する幼児において、超音波検査、MR胆管膵管造影(MRCP)、術中胆管造影(IOC)による画像所見をアラジール症候群(AGS)と胆道閉鎖症(BA)で比較する。
方法:施設内審査委員会はこの後ろ向き研究を承認した。AGS(n=7)およびBA(n=48)の乳児55例(すべて3ヵ月未満)を対象に、超音波検査(n=55)、MRCP(n=33)およびIOC(n=22)検査を実施した。超音波画像は、胆嚢(GB)異常、三角索徴候、肝動脈拡大、門脈圧亢進の徴候を中心に検討された。肝外胆道管の可視化はMRCPとIOCで評価した。
結果:AGS患者6例(86%)は超音波検査で小さなGBを認めた。これはBA患者(81%、35/43例)と同程度であった。三角索徴候と肝動脈拡大は、AGS患者ではすべて陰性であったが、BA患者ではそれぞれ48%(23/48)(p = 0.034)と77%(33/43)(p < 0.001)で陽性であった。門脈圧亢進の徴候は、AGS患者ではBA患者よりも少なかった(p = 0.010)。MRCPによる肝外胆道管の非可視化はAGS患者とBA患者で有意差はなかったが、AGS患者はBA患者に比べ、IOCによる総胆管の可視化の割合が高かった。AGSの診断は、肝外症状に基づいて超音波検査前に4人の乳児(57%)でなされた。
結論:超音波検査で描出された小さなGBとMRCPで描出されなかった肝外胆道管は、AGSでもBAでも共通してみられた。しかし、三角索徴候、肝動脈拡大、超音波検査による門脈圧亢進の徴候、IOCによる総胆管の非観血は、AGS患者ではBA患者より頻度が低かった。知識の進歩BAに対する非典型的な画像所見は、有害な手術を避けるために、AGSの肝外症状に対する慎重な評価を促すべきである。
会員登録すると記事全文を読むことができるほか、「NEJM Journal Watch」や「国内論文フルテキスト」といった会員限定コンテンツを閲覧できます。
