ムコ多糖症における脳疾患の治療。
DOI:10.1016/j.ymgme.2017.10.007
アブストラクト
ムコ多糖症(MPS)は、グリコサミノグリカンの蓄積をもたらすリソソーム酵素の欠損によって引き起こされるリソソーム貯蔵疾患の一群であり、特定の酵素欠損に基づき全身の様々な組織に影響を及ぼす。これらの疾患は、進行性であること、様々な身体症状および神経症状を呈することが特徴である。いくつかのMPS疾患に対しては確立された治療法があるが、そのほとんどは体性症状や非神経症状を緩和するものであり、疾患を治癒させるものではない。MPS I、II、IIIおよびVIIの患者は、神経認知機能の低下や行動障害などの神経学的症状を呈することがある。血液脳関門(BBB)が中枢神経系(CNS)への治療薬の送達を制限するため、これらの神経学的症状の治療は依然として困難である。この障壁を回避し、MPSの脳疾患を標的とする新しい治療法が現在開発中である。それらは主に、BBBを介した薬剤の浸透促進、遺伝子治療による組換え酵素の脳への導入、あるいはCNSへの直接投与に焦点を当てている。本総説では、MPSの脳疾患を対象とした既存の治療法と将来的な治療法の可能性について要約する。本総説の情報は、MPSの管理および治療に豊富な経験を持つ国際的な専門家グループによる、現在の文献および非公開会議での発表と討論に基づいている。
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