Alagille症候群における脳動脈および脳静脈の異常のスペクトラム。
DOI:10.1007/s00247-017-4043-2
アブストラクト
背景:アラジール症候群は脳血管障害の有病率が高い小児の多臓器疾患である。アラジール症候群の脳血管障害には、脳動脈瘤、もやもや動脈症、ドリホエクタ症などが含まれる。アラジール症候群における脳血管障害の有病率は文献によって大きく異なる。
目的:我々の施設のアラジール症候群患者集団における脳血管障害の有病率を,入手可能なすべての神経画像診断の一次レビューを用いて明らかにする。
材料と方法:2000年1月から2014年1月までに3次医療小児病院で受診したアラジール症候群患者全例について、施設内審査委員会承認のレトロスペクティブレビューを実施した。すべての神経画像検査について、動脈または静脈の異常を検討した。動脈および静脈異常の有病率を算出し、臨床転帰を決定した。
結果:生後11ヵ月から27歳までのアラジール症候群患者52例を調査した。19例(37%)が専用の血管神経画像診断を受けた。6例(32%)に脳動脈疾患がみられ、4例にドリホエクタ症、3例に動脈瘤、2例にもやもや動脈症がみられた。4例中3例は動脈瘤を合併していた。静脈異常は4例(21%)にみられた。もやもや動脈症の患者1人は血行再建術を受けた。脳血管疾患に起因する死亡はなかった。
結論:脳血管障害はAlagille症候群の重要な特徴であり、ドリホエクタ症、脳動脈瘤、もやもや動脈症が含まれる。我々の研究で確認された高い有病率は、この患者集団において非侵襲的血管神経画像スクリーニングを実施すべきことを示唆している。脳動脈の異常に加えて、静脈の発達の変化もAlagille症候群の特徴である可能性がある。
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