系統的レビュー:アラジール症候群の疫学、自然史、および負担。
DOI:10.1097/MPG.0000000000001958
アブストラクト
背景と目的:アラジール症候群(ALGS)は遺伝性の多臓器疾患であり、典型的には胆汁うっ滞として現れ、末期肝疾患と死に至る可能性がある。本研究の目的は、ALGSの疫学、自然史、負担について、肝臓に焦点を当てた初の系統的レビューを行うことである。
方法:Preferred Reporting Items for Systematic Reviews and Meta-Analyses(PRISMA)2009ガイドラインに従って、電子データベースおよび主要な会議の議事録を検索した。本分析では、ALGS患者の疫学、自然史、経済的負担、または健康関連QOL(HRQoL)の転帰を報告した論文を対象とした。
結果:スクリーニングを行った525件の論文のうち、20件が組み入れ基準を満たした。肝臓関連の特徴として、胆汁うっ滞(患者の87%~100%)、黄疸(66%~85%)、肝硬変(44%~95%)が挙げられた。患者の15%から47%が肝移植を受け、4%から14%が部分的胆道迂回術を受けた。そう痒症は患者の大部分(59%~88%、うち45%に重度のそう痒症がみられた)にみられ、生後10年間に発現した。ALGSの小児は、健常対照および他の疾患の小児と比較してHRQoLが有意に低下していた。かゆみはALGS患児が最も罹患する症状であった。ALGSの経済的負担を評価した研究はなかった。
結論:今回の調査結果は、ALGSの臨床経過に関する情報を統合するものであり、知識のギャップを浮き彫りにするものであった。遺伝学的に確認されたALGSの発生率を明らかにするためには、さらなる研究が必要である。また、かゆみなどの症状の測定を改善し、ALGSがHRQoLに及ぼす影響をよりよく理解するために、疾患特異的なツールが必要である。
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