ファブリ病の小児患者における酵素置換療法の臨床的転帰への影響 - 欧州の専門家パネルによる系統的文献レビュー。
DOI:10.1016/j.ymgme.2018.04.007
アブストラクト
背景:ファブリ病は、リソソーム酵素α-ガラクトシダーゼの欠乏により、グロボトリオシルセラミド(GL-3)の進行性蓄積を引き起こす疾患です。この疾患は、小児期や思春期に発症することがあります。遺伝子組み換えヒトα-ガラクトシダーゼを用いた酵素置換療法(ERT)は、ファブリ病に対する最初の特異的治療法であり、2001年からヨーロッパで利用可能となっています。本論文は、ファブリ病の小児患者におけるERTの臨床結果に関する系統的文献レビューの結果を報告します。方法:2017年1月に、ファブリ病におけるERTに関する公開文献の包括的な系統的レビューを実施しました。文献分析には、小児患者におけるERTの臨床結果を報告したすべての原著論文が含まれました。
結果:小児患者における治療関連結果は、オープンラベル臨床試験から得られた6件の論文と、観察研究またはレジストリベースの研究から得られた10件の論文で報告されました。ERTは、ファブリ病の小児患者において血漿および尿中のGL-3レベルを著明に減少させることが示されました。ERTのGL-3の腎糸球体からのクリアランスに対する効果は、アガロシダーゼの用量依存性であることが示唆されました。ERTは痛みを緩和し、消化器症状と生活の質を改善しました。結論:公表された文献に基づき、小児患者におけるERTの使用は、GL-3の蓄積を著明に除去し、ファブリ病の早期症状を改善し、生活の質を向上させます。ファブリ病の小児患者におけるERT治療は、疾患の進行と明らかな臓器障害の予防に重要である可能性があります。
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