小児および青年の肝細胞がん(upfront completely resected hepatocellular carcinoma)の外科的管理。
DOI:10.1002/pbc.27293
アブストラクト
背景:肝細胞癌(HCC)は侵攻性の悪性新生物で、しばしば化学療法抵抗性である。外科的完全切除が依然として治療の中心である。小児肝細胞癌における肝移植(LT)の役割は、I期に対する補助化学療法の役割と同様に発展途上にある。
方法:2004年から2015年にかけて、当施設で外科的治療のみで完全切除された18歳未満の肝細胞癌患者を対象にレトロスペクティブレビューを行った。
結果:年齢中央値12歳(範囲=1~17歳、女性数=7人)の前方切除HCC(Evans病期I)患者12人を同定した。4例は同定可能な危険因子を伴わないHCCであった(fibrolamellar-HCC=2例;巣状結節性過形成に生じた早期HCC=1例;高分化[wd]HCC=1例)。4人の患者は、ポートコステリックシャント(Abernethy=2;中大静脈シャントおよび門脈血栓症=2)と関連した早期またはwd-HCCを有していた。4例は、肝硬変を伴う既存の肝疾患(進行性家族性肝内胆汁うっ滞2型=2例、α1アンチトリプシン欠損症=1例、Alagille症候群=1例)を背景とする中等度からwd-HCCであった。7例がLTを受け(多巣性5例、孤立性2例)、5例は画像診断でミラノ基準(MC)を超えていた。5人の患者が完全切除を受けた(セグメント切除=2;ヘミヘパテクトミー=3)。10人の患者は補助化学療法を受けなかった。追跡期間中央値は54.1ヵ月(範囲=28.1-157.7ヵ月)で、全例が病変を認めず生存している。
結論:小児および思春期の肝細胞癌は、化学療法なしで効果的に治療できる。非転移性肝細胞癌、特に慢性肝疾患の既往がある場合には、腫瘍がMCを超える場合でもLTを考慮すべきである。LTに最も適した患者を同定するためには、小児特有の選択基準が必要である。
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