Williams症候群またはAlagille症候群のない患者における末梢肺動脈狭窄の外科的修復。
DOI:10.1053/j.semtcvs.2020.01.003
アブストラクト
末梢肺動脈狭窄症は比較的まれな先天性心疾患で、Williams症候群やAlagille症候群のような遺伝的症候群を伴うことが一般的である。しかし、中には症候群を伴わずに重度の狭窄を呈する患者もいる。この研究の目的は、そのような患者におけるわれわれの手術経験を検討することである。本研究は、末梢肺動脈狭窄に対して外科的修復術を受けた患者30例の後方視的レビューである。20例(67%)における合併した解剖学的診断には、上弁大動脈弁狭窄症(n=8)、ファロー四徴症(n=4)、d-transposition of the great arteries(n=2)、Truncus arteriosus(n=2)、左心低形成症候群(n=2)、心室中隔欠損症(n=1)、および動脈管開存症(n=1)が含まれた。15例(50%)に追加された医学的診断には、エラスチン動脈症(n=9)、肺動脈石灰沈着症(n=1)、動脈蛇行症候群(n=1)、DiGeorge症候群(n=1)、Noonan症候群(n=1)などがあった。手術時の年齢中央値は3.6歳(四分位範囲1.6-7.4歳)であった。17例(57%)に心臓手術の既往があり、16例(53%)に経皮的インターベンションの既往があった。手術により、平均右室-大動脈収縮期血圧比は0.95±0.2から0.28±0.08に減少した(P< 0.0001)。心肺バイパス時間の中央値は369分であった。退院までの生存率は100%で、平均追跡期間2.3年における死亡率はゼロであった。再手術を必要とした患者はなく、バルーン拡張術を受けた患者は4例であった。肺動脈カテーテルを用いた再介入の自由度は12ヵ月後と36ヵ月後でそれぞれ95%と80%であった。Williams症候群やAlagille症候群のいずれでもない末梢肺動脈狭窄患者でも,外科的修復術を受けることにより右室-大動脈圧比を有意に低下させることができる。
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