非免疫性胎児水腫におけるライソゾーム貯蔵症スペクトラム:後方視的症例対照研究。
DOI:10.1002/pd.5678
アブストラクト
目的:非免疫性胎児水腫(NIHF)は胎児水腫症例の90%を占める。原因不明のNIHF症例の約15~29%はライソゾーム貯蔵病(LSD)が原因である。われわれは、われわれの施設に紹介された患者コホートにおいて、NIHFにおけるLSDのスペクトラムと関連する臨床所見を検討した。
方法:単一施設でLSD生化学検査のために紹介されたNIHF症例の後方視的症例対照研究を行う。LSDと診断された症例は、NIHFでLSD検査陰性の対照群とマッチさせ、本研究の後方視的性質が許す限り、STROBE基準に従って解析した。
結果:2006年1月から2018年12月までに、28例のNIHF患者がLSDと診断された。8種類のLSDが診断された:ガラクトシアリドーシス8/28(28.6%)、シアル酸貯蔵症(SASD)5/28(17.9%)、ムコ多糖症VII 5/28(17.9%)、ゴーシェ病4/28(14.3%)、シアリドーシス2/28(7.1%)、GM1ガングリオシドーシス2/28(7.1%)、ニーマン・ピック病C型1/28(3.6%)、ムコリピドーシスII/III 1/28(3.6%)であった。関連する臨床的特徴は、肝腫大16/21(76.2%)対22/65(33.8%)、P < 0.05、脾腫12/20(60.0%)対14/58(24.1%)、P < 0.05、肝脾腫10/20(50.0%)対13/58(22.4%)、P < 0.05であった。
結論:NIHFで最も一般的なLSDは、ガラクトシアリドーシス、SASD、ムコ多糖症VII、ゴーシェ病であった。原因不明のNIHF症例、特に出生前超音波検査で肝腫大、脾腫、肝脾腫が認められた場合は、LSDを考慮すべきである。
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