非典型性ポンペ病における心血管疾患:系統的レビュー。
DOI:10.1016/j.nmd.2020.10.009
アブストラクト
ポンペ病は、希少な遺伝性代謝障害および神経筋疾患で、スペクトラムとして現れ、一端に古典的乳児型、他端に進行が緩やかな非古典的型が存在します。古典的乳児型ポンペ病の主要な特徴である心臓合併症は、非古典的ポンペ病では稀なようです。非典型型ポンペ病患者において、動脈壁のグリコーゲン蓄積が原因と考えられる血管異常(動脈瘤や動脈の拡張症など)が報告されています。本研究は、非典型型ポンペ病における心血管疾患に関する初めての系統的レビューであり、これらの患者における心血管疾患の有病率と病因に関する知見を得ることが目的です。48件の研究(ケースコントロール研究8件、コホート研究15件、症例報告/シリーズ25件)が対象となりました。14件の研究が心臓所見を報告し、25件の研究が血管所見を記述し、9件の研究が心臓と血管の両方の所見を報告しました。非典型型ポンペ病患者における重度の心臓病変は稀に報告されており、特に成人発症患者で一般的なIVS1変異を保有する患者で顕著です。非典型型ポンペ病患者では、一般人口と比較して頭蓋内ドルイコエクタジアと動脈瘤の有病率が高い可能性が示唆されています。非典型型ポンペ病患者における心血管疾患の有病率をさらに調査するためには、確立された心血管リスク因子を検討する大規模なケースコントロール研究を実施する必要があります。
会員登録すると記事全文を読むことができるほか、「NEJM Journal Watch」や「国内論文フルテキスト」といった会員限定コンテンツを閲覧できます。
