小児患者における肺動脈分枝狭窄に対する切開バルーン血管形成術。
DOI:10.1002/ccd.29803
アブストラクト
目的:分枝肺動脈狭窄症(PAS)に対するカッティングバルーン血管形成術(CBA)後の中期成績およびインターベンション成功の予測因子を明らかにすること。
背景:CBAは従来のバルーン血管形成術に抵抗性のPASに対する成功した代替療法として出現したが、中長期的な転帰に関する情報はほとんどない。
方法:これは、2005年5月から2020年12月までの間にアーカンソー小児病院でPASに対してCBAを受けた小児患者の記述的、単一施設での後方視的カルテレビューである。人口統計、手技の詳細、30日合併症について検討した。
結果:44人の患者が126のカテーテル治療症例を通じて114の肺動脈セグメントに対して肺動脈CBAを受け、合計148のCBAイベントが発生した。33本の肺動脈が繰り返しインターベンションを受けた。CBA前から追跡終了時までの平均最小内径増加率は57%(CI、38%-75%)であった。肺動脈閉鎖症および大動脈肺動脈側副動脈を伴うファロー四徴症(TOF/PA/MAPCA)がないこと、Alagille症候群、Williams症候群、または動脈捻転症候群(ATS)がないことは、それぞれ70%(CI, 0.11-0.79)および91%(CI, 0.02-0.56)の持続的成功のオッズ増加と関連していた。カッティングバルーン径と最小内腔径の比を0.5増加させると、インターベンション成功のオッズは2.37倍増加した(CI, 1.7-3.3)。死亡1例を含む7例に30日目の合併症がみられた。
結論:分岐部PASに対してCBAを施行した小児および青年のこれまでで最長の追跡調査において、中期の成功率は中程度であった。さらに、TOF/PA/MAPCAがないこと、Alagille症候群、Williams症候群、ATSがないこと、カッティングバルーンの直径と最小内腔径の比が高いことは、持続的な結果の予測因子である。
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