胆道の発生、修復、疾患におけるYAP1シグナルの役割。
DOI:10.1055/s-0041-1742277
アブストラクト
Yes-associated protein 1(YAP1)は転写コアクチベーターであり、Hippoシグナル伝達経路の不活性化に伴い、転写亢進アソシエイトドメイン転写因子を活性化し、増殖、生存、分化などの生物学的プロセスを制御する。YAP1は、正常成体肝臓および発生期の胆道上皮細胞(BEC)で最も顕著に発現している。今回の総説では、肝臓内外の胆管の発生と形態形成におけるYAP1の役割、および胆道損傷に対する胆管細胞の修復反応の組織化におけるYAP1の役割について議論する。肝細胞からBECへのトランス分化の過程を通して、胆道の修復がどのように起こりうるか、またこの過程にYAP1がどのように関係しているかを概説する。また、肝前駆細胞からYAP1が失われたために肝内胆管が存在しない場合など、極度の胆汁うっ滞における適応機構としての肝臓の代謝再プログラミング能力についても議論する。最後に、アラジール症候群や胆道閉鎖症など、胆管を患う小児の病態におけるYAP1の役割について議論する。結論として、胆道の発生と胆道損傷後の修復におけるYAP1の時空間的役割を包括的に論じるとともに、他のよく知られた発生経路との重要な相互作用について述べる。
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