ファブリ病患者における視機能の転帰、眼所見、および視機能の生活の質。
DOI:10.1080/13816810.2022.2132515
アブストラクト
背景:ファブリ病(FD)はX連鎖性リソソーム疾患であり、症状の発症から数年後に診断が確定することが多い。眼症状は小児期に発症し、早期診断のヒントとなることがある。本研究の目的は、FD患者における眼の予後と視覚的生活の質(QoL)を報告することである。
材料と方法: カロリンスカ大学病院から募集されたFD患者を対象に、最良矯正視力(BCVA)、屈折検査、生体顕微鏡検査、光干渉断層撮影(OCT)、角膜曲率測定、医療記録のレビュー、およびQoL評価票を実施しました。ファブリ安定化指数(FSI)に基づいて算出した総重症度スコア(TSS)を算出しました。
結果:FD患者26例(男性16例)の平均年齢は36.4歳(範囲5.0~63.5歳)でした。BCVAの中央値は1.0(範囲0.5~1.6)でした。結膜血管の屈曲は26例中15例、化学性浮腫は26例中2例、角膜の渦巻き様変化は26例中23例、水晶体混濁は26例中19例、網膜血管の屈曲または拡張は25例中20例に認められました。成人患者群の比較では、年齢、TSS、または眼球パラメータに差は認められませんでした。全体として、TSSは年齢と相関していました(r=0.53、p=0.02)。線形回帰モデルでは、年齢と性別がTSSの変動の38%を説明しました。角膜計では、検査した12例すべてで角膜拡張は認められませんでした。VFQ 25の15例では、複合スコアの中央値が93.6(範囲:78.1-100)と高値でした。結論:FD患者におけるBCVAは、角膜やレンズの病変にもかかわらず良好でした。成人患者において、眼球パラメーターとTSSの間に関連性は認められませんでした。角膜やレンズの混濁は、小児においてもFDの疑いを示すべき所見です。
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