先天性心臓手術を受けたアラジール症候群の小児において、肝機能障害が転帰に及ぼす影響。
DOI:10.1093/ejcts/ezac553
アブストラクト
目的:アラジール症候群の小児は複雑な先天性心欠損を有することが多く、その大部分は末梢肺動脈狭窄症(PPAS)と肺動脈弁閉鎖症(PA)または肺動脈弁狭窄症である。アラジール症候群の小児はまた、様々な量の肝機能障害を有する。この研究の目的は、先天性心臓手術を受けたアラジール症候群の小児において、肝機能障害が転帰に及ぼす影響を評価することである。
方法:本研究は、当施設で先天性心臓手術を受けたアラジール症候群患者69例のレトロスペクティブレビューである。基礎診断には、PPAS(n=29)、PPASを伴うファロー四徴症(n=14)、PAを伴う四徴症(n=3)、心室中隔欠損と大動脈肺側副動脈を伴うPA(n=21)、D転位と上弁大動脈弁狭窄症が各1例であった。
結果:手術時の年齢中央値は16ヵ月(範囲0~228ヵ月)であった。行われた手術はPPAS修復術(n=43)、PA修復を伴う四徴症(n=3)、単房化術(n=21)、その他(n=2)であった。42例(61%)は軽度または全く肝機能障害を認めなかったが、26例(38%)は中等度または重度の肝機能障害を認めた。心肺バイパス時間の中央値は345分(肝機能障害あり341分、肝機能障害なし345分)であった。死亡は手術死8例(12%)、後期死亡3例(4%)であった。肝機能障害のある患者では6例(合計30.7%)の手術死と2例(合計7.1%)の晩期死亡がみられたのに対し、肝機能障害のない患者では2例(合計7.1%)の手術死と1例(合計7.1%)の晩期死亡がみられた(P < 0.05)。
結論:これらの結果は、先天性心臓手術を受けたアラジール症候群の小児において、肝機能障害が生存に重大な影響を及ぼすことを示唆している。
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