ビタミンD依存性くる病1型A(VDDR1A)の臨床的特徴と診断上の課題:CYP27B1遺伝子変異によるもの(資源制限国における検討)
DOI:10.1515/jpem-2022-0550
アブストラクト
目的:ビタミンD依存性くる病1型A(VDDR1A)は、遺伝子の不活化変異により引き起こされる稀な常染色体劣性疾患です。臨床的、生化学的、放射線学的所見において、栄養性くる病や低リン血症性くる病と類似しています。パキスタンのような開発途上国では、1,25(OH)2Dレベルの測定や遺伝子検査へのアクセスが限られているため、VDDR1Aは栄養性くる病や低リン血症性くる病と誤診されることが多くあります。本研究の目的は、開発途上国におけるCYP27B1変異によるVDDR1Aの臨床的特徴と診断上の課題を明らかにすることです。
方法:パキスタンのラホールにあるハメド・ラティフ病院の小児内分泌科に2年間にわたり受診したVDDR1Aの全症例を対象とした後方視的検討。結果:VDDR1Aの症例6例(男性4例)が同定されました。臨床症状の発現時の平均年齢は14(9~24)ヶ月でした。内分泌科受診時の平均年齢は5.5(1.5~11.8)歳でした。成長障害と骨の変形が最も一般的な症状(n=6)で、次いで反復性下痢と腹部膨満(n=3)、反復性骨折(n=1)が認められました。全例で、低/正常カルシウム、低リン血症、アルカリフォスファターゼ上昇、PTH上昇、正常/高25(OH)D、およびリンの管腔再吸収(TRP)<85%という同じ生化学的所見が認められました。カルシトリオールで治療された患者は、1-アルファカルシドールで治療された患者に比べて迅速な改善を示しました。
結論:コレカルシフェロール療法に反応しないくる病では、VDDR1Aを強く疑うべきです。
会員登録すると記事全文を読むことができるほか、「NEJM Journal Watch」や「国内論文フルテキスト」といった会員限定コンテンツを閲覧できます。
