ブロスマブを用いたX連鎖性低リン血症の管理:成長と血清リン濃度の後方視的コホート研究。
DOI:10.1136/archdischild-2022-324962
アブストラクト
背景: ブロスマブは、抗線維芽細胞成長因子23モノクローナル抗体であり、臨床試験においてX連鎖性低リン血症(XLH)の患者において、64週間の追跡調査で骨軟化症の重症度、症状、および成長を改善することが示されています。国際的な投与ガイドラインでは、正常な血清リン濃度を目標とするよう推奨されていますが、最大投与量でも一部の患者ではこの目標を達成できない場合があります。本研究では、長期的なブルソマブ治療を受けているXLH患児において、正常なリン濃度を達成した群と達成しなかった群の臨床的転帰を比較しました。
方法:XLH患者を対象にブルソマブを投与した大規模な小児コホートにおける単施設後方視的検討。正常な血清リン濃度を達成した群と達成しなかった群において、骨健康のバイオマーカーと成長を評価しました。結果:XLH患者55例(中央値年齢11.7歳、四分位範囲6.8-15.5歳)が対象となりました。27例(49%)は低リン血症を呈し、27例(49%)は正常リン血症を呈しました。ブロスマブ治療の中央値は3.3年(四分位範囲2.6-3.7年)でした。1例(2%)は最近のリン血症値が記録されていませんでした。正常リン血症群と異常リン血症群の間で成長に差は認められませんでした(p=0.9)。
結論: XLHを有する幼少期の小児は、長期のブルソマブ治療により持続的な成長を示しましたが、多くの患者で血漿リン濃度が正常化していませんでした。アルカリフォスファターゼの正常化を目標とするため、ブルソマブの投与量推奨値の見直しを検討すべきです。
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