慢性特発性低リン血症患者における高い罹患率と死亡率:全国規模のコホート研究。
DOI:10.3389/fendo.2023.1229750
アブストラクト
背景:X連鎖性低リン血症性くる病または腫瘍誘発性骨軟化症による慢性特発性低リン血症(CIH)は、まれな遺伝性または後天性の疾患です。しかし、その希少性のため、CIHの疫学や自然経過についてはほとんど知られていません。したがって、本研究ではCIH患者の有病率と長期的な健康転帰を明らかにすることを目的としました。
方法:韓国健康保険審査評価機構の請求データベースを使用し、2003年から2018年に初めて低リン血症と診断された患者の発生率を評価しました。二次性疾患(血清リン濃度を変化させる要因)を除外後、非二次性かつ非腎性低リン血症患者154例(男性76例、女性78例)を同定しました。これらの低リン血症患者は、年齢、性別、診断年が一致した対照群(n = 1,540)と1:10の割合で比較しました。
結果:診断時の年齢分布では、1~4歳で大きなピークが観察され、40~70歳で小さなピークが観察されました。年齢調整発生率は、2003年の100万人あたり0.24から2018年の0.30まで、統計的に有意な傾向を示しませんでした。低リン血症患者は、心血管疾患、慢性腎疾患、副甲状腺機能亢進症、骨粗鬆症性骨折、歯周病、うつ病を含む合併症のリスクが有意に高かった(調整ハザード比[aHR]、2.17;95%信頼区間[CI]、1.67-2.69)。低リン血症患者は、対照群と比較して死亡率と入院率も高いリスクを示しました(aHR、3.26;95% CI、1.83-5.81;および aHR、2.49;95% CI、1.97-3.16)。
結論:韓国におけるCIHの初めての全国規模の研究では、患者に二峰性の年齢分布が認められ、性別差はなかった。低リン血症患者は、年齢と性別を調整した対照群と比較して、合併症、死亡率、および入院のリスクが高かった。
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