ビタミンD依存性くる病II型患者の臨床的特徴と長期管理:サウジアラビアの単一施設における後方視的研究。
DOI:10.3389/fendo.2024.1365714
アブストラクト
導入: 遺伝性ビタミンD依存性くる病型II(HVDDR-type II)は、ビタミンD受容体(VDR)遺伝子の分子変異により引き起こされる稀な常染色体劣性疾患です。本研究の目的は、サウジアラビアで最も大規模なHVDDR-type II患者群の臨床的特徴、遺伝子型特徴、および長期経過を追跡調査することです。
方法: サウジアラビアのキング・ファイサル専門病院・研究センター(リヤド)で現在治療を受けているHVDDR-type II患者全員の臨床的、生化学的、遺伝学的データを収集するため、後方視的カルテレビューを実施しました。
結果: 42名の患者が研究対象となり、そのうち57.1%が女性、42.9%が男性でした。7名は経口カルシウムの高用量投与で治療され、35名は静脈内カルシウム点滴で治療されました。初発時の年齢の中央値は15.5ヶ月でした。脱毛は97.6%に認められ、21.4%に下腿弯曲、14.3%に歩行遅延、9.5%にけいれん、2.4%に呼吸不全が認められました。また、全患者の71.4%に家族歴が陽性でした。当コホートにおけるVDR遺伝子の分子遺伝学的検査では、6つの異なる遺伝子変異が同定されました:c.885 C>A (p.Tyr295Ter)、c.88 C>T (p.Arg30Ter)、c.1036G>A (p.Val346Met)、c.820C>T (p.Arg274Cys)、c.803 T>C(p.Ile268Thr)、およびc.2T>G(p.Met1?)が同定されました。 結論:本研究では、HVDDR型IIの患者における最大のコホート、臨床生化学的所見、および当院集団で最も頻度の高い遺伝的変異を報告しています。
会員登録すると記事全文を読むことができるほか、「NEJM Journal Watch」や「国内論文フルテキスト」といった会員限定コンテンツを閲覧できます。
