脊髄性筋萎縮症における疾患修飾療法の栄養アウトカム:系統的レビュー。
DOI:10.1002/mus.28224
アブストラクト
脊髄性筋萎縮症(SMA)の栄養学的影響は重大です。疾患修飾療法(DMT)は臨床的転帰を改善してきました。本レビューでは、DMTが栄養学的転帰に与える影響を説明します。2023年5月まで、7つのデータベースを対象に体系的な検索戦略が適用されました。対象研究は、DMT(ヌシネルセン、リスディプラム、またはオナセムノゲン・アベパルボベック[OA])を投与されたSMA患者における栄養アウトカムを、未治療の対照群と比較したものです。栄養アウトカムには、 anthropometry(身体測定)、経口摂取経路、嚥下障害、食事摂取量、栄養介入、栄養生化学、代謝、消化器症状、およびエネルギー消費量が含まれました。回収された論文は二重にスクリーニングされ、データは抽出され、体系的に評価されました。54件の研究から63件の論文が対象に選ばれました。そのうち41%(n=22)は、SMA型1の小児患者におけるヌシネルセンの効果を調査していました。最もよく報告されたアウトカムは、身体測定(n=18)、経口摂取経路(n=39)、嚥下障害(n=18)でした。小児と成人を合わせたコホートにおいて、ヌシネルセン療法後、BMI zスコアは安定していました。ヌシネルセン療法後、SMAを有する小児の経腸栄養を必要とする割合は安定していました。早期乳児期にOAを併用した治療を受けた小児は、歴史的対照群と比較して1.5歳時の発育能力が有意に高かったです。研究対象集団の特性とアウトカム指標之间に有意な異質性が存在しました。ヌシネルセンは一部の栄養アウトカムの悪化を予防する可能性があります。また、早期乳児期にOAを実施することは、栄養アウトカムの改善と関連している可能性があります。DMTの開始時期は、今後の栄養研究における重要な考慮事項です。栄養を主要アウトカムとして設定し、一貫したアウトカム指標を用いた研究が、このコホートに対する栄養管理戦略を適切に調整するため必要です。
会員登録すると記事全文を読むことができるほか、「NEJM Journal Watch」や「国内論文フルテキスト」といった会員限定コンテンツを閲覧できます。
