新生児の脳脊髄液中のTORCHおよびSARS-CoV-2による先天性および新生児感染症の分子学的検出に関する系統的レビュー。
DOI:10.1590/1984-0462/2025/43/2023191
アブストラクト
目的:新生児の脳脊髄液中の先天性感染症診断における分子生物学的手法の有用性を検証し、その利点を明らかにする。
データ出典:本レビューはInternational Prospective Register of Systematic Reviews(PROSPERO)のCRD42021274210に登録された。文献検索はデータベースで行った:PubMed、Virtual Health Library/ Latin American and Caribbean Center on Health Sciences Information (VHL/BIREME)、Scopus、Web of Science、Excerpta Medica database (EMBASE)、Cochrane、ProQuest、EBSCOhost。検索は、Preferred Reporting Items for Systematic Reviews and Meta-Analyses(PRISMA)ガイドラインを尊重し、2021年8月から10月にかけて行い、2022年12月に更新した。選択順序は、1)重複タイトルの削除、2)タイトルと抄録の検討、3)関連する可能性のある報告の全文検索、4)独立した著者2名による適格基準に従っての全文の評価、であった。包含基準として、トキソプラズマ症による先天性神経感染症に罹患した生後28日までの新生児を対象とした、英語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語で発表されたヒトを対象としたランダム化および非ランダム化対照試験、縦断的、横断的、査読付き研究を考慮した、風疹、サイトメガロウイルス、単純ヘルペス(TORCH)、その他、淡蒼球トレポネーマ、ジカ熱、パルボウイルスB-19、水痘帯状疱疹、エプスタイン・バー、SARS-CoV2などによる先天性神経感染症に罹患した生後28日までの新生児を対象とし、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって診断した。2名の評価者が以下の情報を抽出した:著者、発表年、国籍、被験者、研究タイプ、方法、結果、結論。
データ総合:最も多く研究された病原体は単純ヘルペスであった。いくつかの論文では、非特異的な初期症状のみが報告されており、病因究明のために脳脊髄液を採取してPCRを行う動機付けとなっていた。
結論:分子生物学的方法は脳脊髄液中の病原体ゲノムを検出するのに有効であり、臨床経過や神経学的予後に影響を与える可能性がある。
会員登録すると記事全文を読むことができるほか、「NEJM Journal Watch」や「国内論文フルテキスト」といった会員限定コンテンツを閲覧できます。