流行地域における炎症性腸疾患の青少年におけるヒストプラズマ症の管理と転帰。
DOI:10.1002/jpn3.12381
アブストラクト
目的:抗腫瘍壊死因子(aTNF)療法を含む免疫抑制療法を処方されている炎症性腸疾患(IBD)患者は、ヒストプラズマ症のリスクが高い。われわれは、IBDとヒストプラズマ症を併発した青少年の症状、管理、転帰を評価することを目的とする。
方法:2007年1月12日から2022年1月1日までにヒストプラズマ症と診断されたIBDの青少年を単一施設で後方視的に検討した。診断後2年まで管理と転帰を追跡した。
結果:IBD患者19例(男性10例、年齢中央値16歳、範囲8~22歳)がヒストプラスマ症と診断された:播種性(N=15/19、79%)、肺性(N=3/19、16%)、リンパ節性(N=1/19、5%)。ヒストプラスマ症と診断された時点で、患者は主にaTNF療法を受けていた(N=17/19、89%、期間中央値21.9ヵ月(四分位範囲8.5-52.0))。入院を要した患者は13例(13/19、68%)、集中治療を要した患者は2例(2/19、11%)であった。全員が抗原除去を達成し、再発はなかった。ヒストプラズマ症と診断された時点で、15/17人(88%)の患者でaTNFが中止され、以下のIBD治療が開始された:5-アミノサリチル酸塩(N=4/19;21%)、6-メルカプトプリン(N=3/19;16%)、経腸療法(N=2/19;11%)、vedolizumab(N=2/19;11%)。追跡期間中、19例中6例(32%)が活動性IBDに起因する症状で緊急外来(ED)の受診および/または入院を経験し、全員がaTNFを中止した。
結論:若年IBD患者における重篤なヒストプラズマ症感染はまれであった。IBD治療は免疫抑制を減らすことで修正された。ヒストプラスマ症の転帰は良好であったが、複数の患者がIBD症状のために入院または救急外来受診を要した。ヒストプラズマ症治療中にIBDを管理する最適なアプローチは困難であり、さらなる研究が必要である。
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