ムコ多糖症の小児における気管切開術:系統的レビュー。
DOI:10.1016/j.ijporl.2024.112167
アブストラクト
目的:気道が困難なムコ多糖症(MPS)の小児では気管切開が必要となることがあり、手術は困難である。本総説は、MPS小児における気管切開術の適応、手術的側面、術後合併症および転帰について検討することを目的とする。
方法:Preferred Reporting Items for Systematic Reviews and Meta-Analysesのガイドラインに従ってシステマティックレビューを行った。PubmedとEmbaseでMPS小児の気管切開に関する研究を検索した。質の評価にはJoanna Briggs Instituteを用いた。
結果:合計9件の研究が含まれた。3件はレトロスペクティブ、1件はプロスペクティブ、5件はケースシリーズであった。全体として、気管切開を受けた34例が対象となった。平均年齢は11歳で、男女比は1.7であった。MPS IIが最も多いタイプであった(16/34例)。気管切開されたMPS児の割合は10%(3.5%~15.5%)であった。気管切開の適応は、保存的治療に反応しない進行性または緊急性の気道閉塞、計画された外科手術の前、挿管/抜管に失敗した場合であった。特徴的な臨床像は手術を困難にし、気管肉芽、創感染、気孔狭窄、多量の分泌物の持続、気管炎などの合併症を引き起こしやすい。気管切開の転帰をみると、2例が抜去術を受けたが、そのうちの1例は1年後に気管切開の再挿入が必要となった。追跡期間は8.4年と9.98年であった。
結論:気管切開はMPS患児の気道確保に有効な手段であり、基本的に永続的であると考えられる。MPSの典型的な臨床的特徴と進行のため、管理は困難な場合がある。計画的な集学的アプローチが合併症を予防する可能性がある。
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