活性化ホスホイノシチド3キナーゼデルタ症候群における遺伝的病因と悪性腫瘍および死亡率の転帰:系統的レビュー。
DOI:10.1007/s12325-024-03066-7
アブストラクト
はじめに:本解析は、活性化ホスホイノシチド3キナーゼデルタ症候群(APDS)患者に関する文献を評価し、この集団における遺伝的病因と死亡率の発生について理解を深めることを目的とした。
方法:Preferred Reporting Items for Systematic Reviews and Meta-Analysesのアプローチに従い、PubMedおよびEmbaseにおいて2023年3月13日以前に英語で発表されたすべての論文を対象にシステマティックレビューを行った。対象患者は、(1)APDSと診断されたか、(2)APDSと一致する臨床徴候が1つ以上あり、遺伝学的にAPDSと確認された第一度近親者がいると報告された患者とした。最終観察時の年齢の報告も必須項目であった。これらの基準を満たさない論文は除外された。データは記述統計を用いて要約した。
結果:検索により、39の異なる病因変異を有する351人の患者について記述された108の論文が同定された。このうち41例(12%)で死亡が報告され、最終追跡時の平均年齢は19.6歳(範囲、1~64歳)であった。死亡の80%(33/41)で死因が報告され、リンパ腫(24%、10/41)および感染症(22%、9/41)が最も多かった。死亡の原因となった感染症の種類は、制御不能な重症感染症(n=3)、敗血症(n=2)、ウイルス感染(水痘帯状疱疹性肺炎[n=1]、サイトメガロウイルスおよびアデノウイルス[n=1]、エプスタイン・バーウイルス[n=1])、感染症(n=1)であった。リンパ腫の死亡時の平均年齢は24.9歳(範囲、1-41歳)であり、感染症で死亡した9人の患者はすべて15歳未満で死亡した。APDS初発症状の平均年齢は2.0歳(範囲、<1-22歳)、APDS診断時の平均年齢は13.4歳(範囲、0-56歳)であり、症状から診断までの平均期間は10.6年(範囲、0-44年)であった。本研究の限界は主にデータソースに関連するものであった。
結論:APDS患者は、主にリンパ腫と感染症による早期死亡に苦しんでおり、症状と診断の間に大きな時間差がある。これらの知見は、診断法の改善、APDSの早期遺伝子検査、家族性検査に対する認識の向上、標的治療の必要性を強調している。
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