X連鎖性低リン血症を呈する女児におけるPHEX遺伝子のイントラジェニック重複:症例報告と文献レビュー。
DOI:10.1507/endocrj.EJ24-0355
アブストラクト
X連鎖性低リン血症(XLH)の患者において、PHEX遺伝子内の70を超えるイントロン内コピー数変異(CNV)が同定されています。しかし、これらのCNVの根本的なメカニズムは十分に解明されていません。さらに、PHEX遺伝子はX染色体不活性化(XCI)を受けるにもかかわらず、ヘテロ接合型のPHEX変異を有する女性におけるXLHとXCIの偏りの関連性は不明です。本研究では、2歳で低身長と下肢の弯曲を示したXLH患者の正確なゲノム構造とXCI状態を同定しました。検査結果では、血清リン濃度が低く、アルカリフォスファターゼと線維芽細胞成長因子23の濃度が上昇していました。マルチプレックスリガシオン依存性プローブ増幅とターゲットロングリードシーケンスにより、PHEX遺伝子内に24.6 kbのイントラジェニック重複が同定されました。重複は頭尾方向でタンデムに配置されていました。重複の断裂点は2塩基のマイクロホモロジーを共有しており、このCNVが複製に基づくエラーに起因することを示唆しています。トリオシーケンスの結果、重複は父方由来のアレル上で発生した新規CNVであることが示されました。DNAメチル化解析では、X染色体不活化(XCI)がランダムであることが示されました。PHEXのイントラジェニックCNVに関する12件の既報例をレビューした結果、欠失/重複は複製に基づくエラーに起因するものであることが示されました。当研究の結果と過去の研究結果は、PHEXにおけるXLHを引き起こすCNVは主に複製に基づくエラーから生じると示しています。したがって、PHEX周辺のゲノム領域は、生殖細胞形成期または早期胚発生期に複製に基づくエラーに脆弱である可能性があります。当研究は、ランダムなXCIを有する女性において、ヘテロ接合のPHEX変異がXLHを引き起こす可能性を示す支持的な証拠を提供しています。
会員登録すると記事全文を読むことができるほか、「NEJM Journal Watch」や「国内論文フルテキスト」といった会員限定コンテンツを閲覧できます。
