掲載日:
熱性けいれんの病態と治療に関する研究の進展。
DOI:10.1016/j.lfs.2024.123360
アブストラクト
熱性けいれんは最も一般的な小児神経疾患であり、生後6ヶ月から5歳までの小児の約5%が罹患している。ほとんどの熱性けいれんは自己限定的で良性であるが、約20〜30%は複雑型熱性けいれん(CFS)を呈し、急性脳損傷や側頭葉てんかん発症の危険性がある。FSの発症には、年齢、地理的分布、感染症の種類など様々な要因が影響する。感染はFSの主な外的誘因であるが、その根底にある内因性要因は、特定の発達段階における脳の未熟で不完全な髄鞘形成に関連している。FSの正確な病態はまだ完全には解明されていないが、未熟な脳の発達、発熱、神経炎症、遺伝的感受性の相互作用によって引き起こされると考えられる。本総説では、発熱発作の発症機序について、年齢、発熱、神経炎症、遺伝、腸内細菌叢などの因子に焦点を当てて考察し、既存の治療アプローチについてまとめた。われわれの総説は、熱性けいれんの機序研究や臨床治療のための新たな標的の同定を促進する可能性がある。
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