デュシェンヌ型筋ジストロフィーを有する小児および成人における非侵襲的換気療法下での強制肺活量低下に関連する要因:多施設共同研究。
DOI:10.1007/s11325-024-03183-1
アブストラクト
背景:デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)患者において、強制肺活量(FVC)の低下は、罹患率と死亡率と関連しています。非侵襲的換気療法(NIV)は、睡眠時呼吸障害(SDB)および慢性呼吸不全の治療に頻繁に処方されます。DMDの進行後期にNIVを開始する一般的な実践にもかかわらず、NIV開始後にFVCに影響を与える要因は不明です。目的:DMDの子供と成人でNIVを処方された複数のコホートにおいて、予測FVC%の決定要因として、人口統計学的、臨床的、および社会経済的要因を評価すること。
方法:2016年2月から2020年10月までの期間に、NIVを処方されたDMD患者を対象とした多施設共同の回顧的検討を実施しました。患者は3施設から抽出されました:カナダ・ザ・ホスピタル・フォー・シック・チルドレン、米国・ラディ・チルドレンズ・ホスピタル・サンディエゴ、および米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校医療センター。多変量回帰分析により、FVCに影響を与える要因を特定しました。
結果:NIVを処方されたDMD男性患者59例(年齢とBMIの平均±標準偏差は20.1±6.7歳、23.8±8.8 kg/m)が対象となりました。多変量解析の結果、予測FVC%が低いことは、年齢がより高いこと(β=-1.44,p=0.001)、側弯症の有無(β=-16.94、p=0.002)、デフラザコートの処方なし(β=14.43、p=0.009)、および吸気・呼気用スフラター使用(β=-39.73、p<0.001)とそれぞれ関連していました。
結論:本研究では、NIVを使用するDMD患者において、予測FVC%の低下と関連する複数の要因が同定されました。DMD患者におけるNIV使用時の予測FVC%の経時的な変化を解明するためには、今後の前向きな縦断的研究が不可欠です。
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