脊髄性筋萎縮症の治療法が球麻痺機能に与える影響に関する体系的な文献レビュー。
DOI:10.1177/22143602241303373
アブストラクト
背景:脊髄性筋萎縮症(SMA)の疾患修飾療法(DMT)における重要な目標の一つは、球麻痺機能の改善と維持です。しかし、球麻痺機能を評価するための標準化され検証された測定方法が存在せず、SMAにおける球麻痺機能の広く受け入れられた定義も確立されていません。そのため、DMTが球麻痺機能に与える影響は、まだ包括的に評価されていません。
目的: SMAに対するDMTが球麻痺機能に与える影響に関する証拠を同定するため、系統的文献レビュー(SLR)を実施しました。
方法:本レビューは、体系的レビューとメタアナリシスのための推奨報告項目(PRISMA)ガイドラインに従って実施しました。EmbaseとMEDLINEデータベースを2023年8月10日まで検索しました。対象研究は、SMA患者でDMTを投与され、球麻痺機能のアウトカムを報告した研究です。英語以外の研究は除外しました。
結果: SMAのDMTと球麻痺機能に関する評価を行った51件の研究(83件の論文)を同定し、1,600人を超える患者を対象とした結果が得られました。経口摂取能力、液体摂取耐容能、栄養支援の必要性がよく報告されました。SMA症状発症前にDMTを投与された乳児の多くは球麻痺機能を維持していました。SMA症状発症後に治療を受けた乳児、小児、成人では、球麻痺機能のアウトカムに多様な結果が観察されました。
結論: 脳幹機能の定義と評価は標準化されていません。したがって、脳幹機能の評価に用いられたツール、尺度、方法、タイミングは研究間で異なっていました。SMA患者におけるDMTの臨床的安定性を評価するため、標準化された年齢に応じた評価方法を採用し、より長期の追跡期間を有する大規模な前向き研究が必要です。
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