低・中所得国における脳性麻痺児の臨床的併存疾患の外来管理。
DOI:10.1111/cch.70052
アブストラクト
背景:脳性麻痺(CP)は、小児期に最もよくみられる身体障害である。中低所得国(LMICs)における有病率は3/1000を超え、高所得国(HICs)の1.6/1000の約2倍である。CPでは多疾患合併が非常に多い。LMICs では、CP の小児の有病率、重症度、併存疾患、死亡率が高い。CP における推奨の根拠は、圧倒的に HICs で行われた研究から得られている。現地の臨床医が参加し、現地の背景を考慮し、現地の解決策を検討する、LMICsの環境で実施された研究が緊急に必要である。
方法:このスコーピングレビューは、LMICsにおけるCP患児の臨床的併存疾患の管理に関する現在のエビデンスを特定し、統合することを目的とした。データ抽出と解析の段階では、Joanna Briggs Institute のガイドラインに従った。スコープ・レビューの指針となったのは、以下の質問である:CP の小児における主な臨床的併存疾患は何か?これらの併存疾患の診断と治療のゴールドスタンダードは何か?LMICs において、ゴールドスタンダードが利用できない場合、これらの併存 症の診断と治療にはどのような選択肢があるか?
結果:検索戦略により合計22188件の引用文献が同定され、808件の重複を除去した21380件が残った。タイトルと抄録をスクリーニングした後、1918件の引用が全文レビューに進んだ。合計194の論文が適格基準を満たし、レビューに含まれた。呼吸障害、嚥下障害と誤嚥、胃食道逆流症、流涎、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、栄養不良、便秘、てんかん、睡眠障害、痙縮、ジストニア、疼痛、股関節障害、脊柱管狭窄症、骨粗鬆症などの病態について、レビューの指針となる質問に回答した。
結論:この論文は、LMICsの実情に即した介入の必要性を強調している。LMICsの小児科医や医療専門家に力を与えることは、早期診断と積極的な介入に不可欠である。LMICsに特化したガイドラインは、これらの複雑な疾患を管理する専門家をよりよく導くことができる。
会員登録すると記事全文を読むことができるほか、「NEJM Journal Watch」や「国内論文フルテキスト」といった会員限定コンテンツを閲覧できます。