小児難治性てんかんに対する脳梁切開術:術中神経生理学的モニタリングの有用性。
DOI:10.1007/s00381-025-06773-w
アブストラクト
背景:術中神経モニタリング(IONM)は多くの脳神経外科手術で用いられている。IONMは、神経弛緩領域に近接して手術を行う場合に、そのような領域を切除対象から除外することができるため、しばしば使用される。IONMはさらに、選択した術中操作において外科医に確信と確信を与えることができる。しかし、小児の脳梁切開術においてIONMが重要な価値をもたらすかどうかについては、明確なコンセンサスは得られていない。本研究では、小児脳梁切開術におけるIONMの術中有用性、予後的価値、医学的考察を評価するために、現在の文献をレビューする。
方法:PubMed、OVID Medline、SCOPUS、Embaseを用いて広範な文献レビューを行った。参考文献リストは手作業でスクリーニングし、さらに該当する論文を特定した。研究の組み入れについては定性的に評価し、記述的に報告した。
結果:検索戦略により1523件の論文が得られた。重複削除、初回スクリーニング、全文レビューの結果、8報が組み入れられた。双同期てんかん様放電(ED)の崩壊と、以前は汎化していたEDの側方化の両方が、脳梁切開術の予後予測因子として提唱されている。今回評価した研究では、術中のEDの変化とてんかん発作の転帰との間に有意な相関はみられなかった。後方郭清範囲のガイダンスもまた、脳梁切開術において術中に有用であることが示唆されている。小児集団における脳梁切開の大部分は、前方3分の2法とは対照的に完全切開であることを考えると、切離誘導における全体的な有用性は低い。
結論:IONMは、難治性てんかんの小児患者に対する脳梁切開術において、有意な予後予測能を提供することも、手術成績の改善に強く寄与することも認められていない。近年、脳神経外科領域全体における医療法上の配慮が高まっている。訴訟の観点の大部分は脊椎手術に限定されており、IONMは小児の脳梁切開術において、より文書化の目的で機能している。小児脳梁切開術におけるIONMの使用は、標準治療として定義されていないため、外科医の好みのままである。
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