脊髄性筋萎縮症におけるレジストリの最新のレビュー:臨床研究のための貴重なリソース。
DOI:10.1177/22143602241313113
アブストラクト
2016/17年以降、脊髄性筋萎縮症(SMA)に対する3つの疾患修飾療法が臨床実践に導入されました。これにより、新生児スクリーニングの実施が促進され、健康アウトカムと臨床実践の変革がもたらされています。SMAレジストリは、治療時代における新規表現型の進化、治療パターン、疫学、遺伝子型と表現型の関連性、SMA患者のケアと生活体験に関する重要なデータ源を提供し、この変化した状況下での疾患に関する知識と知見を豊かにしてきました。本最先端レビューでは、SMAレジストリの有用性と成果を検討し、その役割と重要性を評価します。2024年現在、SMA患者を登録する35を超える国家登録制度が、8,000人を超える患者をカタログ化しています。さらに、患者支援団体や製薬企業によって運営される登録制度も存在し、この疾患を有する10,000人を超える患者のデータを収集しています。本レビューでは、レジストリが臨床試験の参加者募集を支援し、生殖キャリアスクリーニングと新生児スクリーニングの時代におけるSMAの発生率と有病率の変化を定義し、自然歴データを確立し、市販後薬物監視に貢献し、現実世界の臨床的有効性とコスト効果を評価し、患者報告アウトカム指標(PROMS)と患者体験指標(PREMS)を収集する上で果たす不可欠な役割を強調しています。その有用性は広範ですが、効果的なデータキュレーションと管理の障壁が評価されており、データキュレーションと断片化、品質と共有の課題、リソース制約と持続可能性が含まれます。レジストリの価値を向上させる戦略には、臨床研究ネットワークを越えた協働の必要性と、データ収集・入力の標準化、共有手順、公的機関と患者の参画により実現される相互運用性の価値が含まれます。治療後時代において新たなフェノタイプと未充足ニーズが浮上する中、レジストリは現在および将来にわたる新たな知見を生み出す中心的なツールとして位置付けられ、SMAと生きる個人の優先事項に意味のある対応を行う準備が整っています。
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