デュシェンヌ型筋ジストロフィーを有する小児患者における思春期誘導療法。
DOI:10.1515/jpem-2025-0061
アブストラクト
目的:デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)患者における思春期誘導の短期および長期的な潜在的利益を評価するため、PubMedにおける医学文献の探索的レビューを実施し、分析しました。
内容: 当研究では、DMD患者の臨床データを報告した6つの論文を同定し、合計58例の小児患者(年齢12~17.7歳)のデータを分析しました。すべての患者はグルココルチコイド療法を受けており、治療期間は多様で、最長の追跡期間は11.7年でした。すべての患者で誘導プロトコルは成功(二次性徴の出現)し、分析した研究のいずれにおいても二次的な副作用は報告されていませんでした。3つの論文では患者の生活の質の客観的な改善が報告され、4つの論文では骨プロファイルへの利益が認められました。要約:DMDは、出生男児の約5,000人に1人に発症するX連鎖劣性遺伝性疾患です。標準治療として使用されるグルココルチコイドの早期かつ慢性的な曝露により、思春期発達が変動する可能性があります。一部の男性は正常な思春期成長スパートを経験しますが、他の患者は年齢に応じた正常範囲を下回るテストステロン値を示し、適切な精巣体積、二次性徴の発達、およびピーク骨密度を達成するために思春期誘導療法が必要です。DMD患児における思春期誘導療法の適応時期と方法は、依然として議論の的となっています。
展望:DMD患者におけるテストステロン療法の報告された証拠は、まだ小規模なコホート研究に限定されており、有効性と心理社会的利益を示唆しています。
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