ホモ接合性変異型ポルフィリン症における神経発達遅滞と神経学的症状:2つの新しい症例と文献レビュー。
DOI:10.1186/s13023-025-03606-6
アブストラクト
背景:遺伝性ポルフィリア症は、ホモ接合体の場合、神経発達障害を引き起こす可能性があり、臨床的に優性であることさえある。しかし、これまでに報告された症例はほとんどない。神経発達障害の大部分は遺伝的原因によるものであり、特異的でない症状のために臨床症状が大きく重複している。特異的な臨床症状を追加することで、表現型を重視した生化学的・遺伝学的診断が可能になるかもしれない。新生児期あるいは生後数年の発達遅滞児にみられる皮膚病変は、遺伝性ポルフィリン症の可能性を示唆している。
方法:PubMed、MEDLINE、Cochrane、Web of Scienceで系統的検索を行い、2023年12月までに発表されたすべての症例報告を検討した。
結果:これまでに19例の二遺伝子変異型ポルフィリン症患者が報告されており、うち16例は遺伝子検査で確認された。11人の患者では、皮膚病変に加えて神経発達障害が報告された。その他の症状として、眼振、てんかん発作、感覚神経障害がみられた。2-3歳で重度の髄鞘欠損を示す脳MRIを受けた患者は2例のみであり、HVPにおける神経発達遅延は低髄鞘症に関連している可能性が示唆された。本論文では、発達遅延とてんかん、皮膚病変を伴う遺伝性ポルフィリン症の2例を追加する。われわれの2症例では、生化学検査でポルフィリン症が明らかになり、連続した分子遺伝学的検査で、それぞれの症例でPPOX遺伝子のホモ接合性変異が示され、これは異型ポルフィリン症に相当する。興味深いことに、脳の磁気共鳴画像では、両症例とも低髄鞘症を示唆する重度のミエリン欠損が認められた。
結論:原因不明の発達障害と小児期早期のてんかんを有する小児において、異常な光感受性や脆弱な皮膚は、原発性遺伝性ポルフィリン症の可能性がある。特に、二遺伝子変異を有する異型ポルフィリン症は、低髄鞘化を伴う神経発達障害を呈することがある。
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