ファブリ病を有する小児における消化器系および栄養障害の隠れた負担の解明:系統的レビューとメタ解析.
DOI:10.3390/nu17071194
アブストラクト
背景/目的:ファブリ病(FD)は、X連鎖性リソソーム貯蔵障害の一種で、腹痛、下痢、便秘などの非特異的な消化器症状を呈することが多く、小児期早期に発症し、生活の質を著しく低下させ、診断の遅延を引き起こす可能性があります。これらの症状は栄養障害と関連している可能性があります。本系統的レビューの目的は、小児FD患者におけるGI症状の有病率、特徴、臨床的意義、栄養学的側面を評価し、早期認識を支援し、予後を改善することです。方法:PRISMAおよびMOOSEガイドラインに準拠した系統的文献検索とメタアナリシスを、PubMed、Web of Science、Google Scholarにおいて、2024年11月までの文献を対象に実施しました。固定された inclusion 基準と exclusion 基準を適用しました。データは2名のレビューアが独立して抽出しました。意見の不一致は合意により解決し、必要に応じて第3のレビューアに相談しました。プール解析はランダム効果モデルで実施し、異質性はI方法を用いて評価しました。研究の質評価はROBINS-Iツールを用いて行いました。
結果:本レビューは、736人の小児患者を対象とした18件の研究を包含しました。FD患者におけるGI症状のプールされた有病率は53%(95% CI 38-68%、I 90%)で、腹痛が最も頻度が高く(プールされた有病率46%(95% CI 33-60%、I 86%))。症状は早期に現れることが多く、症状発症の平均年齢とFD診断時の平均年齢の標準化平均差は2.07年(95% CI 0.56-3.57、I 42%、< 0.01)でした。重度のGI症状を有する症例では、食事摂取量の減少や潜在的な吸収障害を含む栄養問題が報告され、成長障害に寄与していました。
結論: 消化器症状は、小児におけるFDの最も早期の臨床的所見として頻繁に認められます。その非特異的な性質は、早期診断のための臨床的疑いの高さが重要であることを強調しています。早期介入(酵素補充療法や個別化された栄養戦略を含む)は、症状の緩和、生活の質の向上、疾患の進行防止に有効です。患者アウトカムの最適化には多職種連携が不可欠であり、FDにおける消化器症状の病態生理学と管理に関するさらなる研究が求められます。
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