小児における動静脈奇形破裂後の神経学的転帰と生理学的パラメータの関連性
DOI:10.1177/08830738251330110
アブストラクト
脳動静脈奇形破裂の小児に対する集中治療管理を導くエビデンスは不足している。我々は、脳動静脈奇形破裂の小児において生理学的パラメータと転帰との関連性を明らかにすることを目的とした。2011年から2023年までに脳動静脈奇形破裂を呈した18歳以下の患者を対象に、単一施設での後方視的検討を実施した。転帰の分類は小児脳卒中転帰評価尺度(PSOM)に基づく。記述統計を用いた。破裂性脳動静脈奇形患者の大半は、退院時(49例中31例、63%)および3~12ヶ月後の追跡調査時(37例中21例、57%)に不良な転帰を示した。破裂後7日間にわたり体温38℃未満かつ血糖値正常範囲を維持した患者は、体温≥38℃(オッズ比[OR]0.14、95%信頼区間[CI]0.04-0.52; = 0.01)、または血糖値≥200 mg/dL(OR 0.11、95% CI 0.01-0.92; p=0.04)の患者と比較して、良好な転帰を示した。最低ヘモグロビン濃度が低い(10.00 g/dL[標準偏差(SD)1.67]対 12.46 g/dL[SD 6.29]、(47)2.07, =.04)および二酸化炭素分圧(Paco)の平均値が高いこと(40.98 mm Hg [SD 4.30] 対 35.58 mm Hg [SD 7.72], (47) -2.09, =.046)も、退院時の予後不良と関連していた。平均最高温度が高いほど、経過観察における予後不良と関連していた(37.46°C[SD 0.49]対 37.09°C[SD 0.59]、(47) -2.09; ==.04)。体温、血糖値、ヘモグロビン濃度、およびPacoは、この集団における転帰改善を目的とした品質改善介入の対象となり得る、変更可能なパラメータである。
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