ADHDを有する小児および思春期における認知リハビリテーションの有効性:脳波研究のレビュー。
DOI:10.1016/j.jad.2025.04.101
アブストラクト
背景:注意欠如・多動症(ADHD)は、行動、認知、神経機能の差異が特徴であり、個人の生活における複数の領域に重大な影響を及ぼす可能性があります。治療介入が成功とみなされるためには、対象領域だけでなく、ADHDを有する個人が直面する他の課題にも対応する必要があります。この包括的なアプローチは、治療のコストと期間を削減するのに役立ちます。したがって、本ミニレビューの目的は、安静時脳波(EEG)所見に焦点を当てた作業記憶と/または抑制制御をターゲットとした認知リハビリテーション手法の転用可能性を検証することです。方法:PubMed、Web of Science、Scopusにおいて、2024年7月30日までに発表された関連研究を系統的に検索しました。データ抽出プロセスに7件の研究が対象として含まれました。
結果:作業記憶と/または抑制制御を標的とした認知リハビリテーション方法は、ADHDを有する小児および思春期におけるEEG周波数の変化を支援する傾向がありました。しかし、その効果は多様な脳周波数帯域で異なっていました。制限事項:研究の数が少なく、方法論的および臨床的な側面で均一性がないため、既存の文献の分析が制限され、包括的な結論を導き出すことが困難でした。
結論:特に、ADHDを有する参加者は、年齢と性別が一致した対照群と比較して、シータ波のパワーに一貫した減少が観察されました。しかし、ベータ波のパワーには有意な効果は認められませんでした。アルファとデルタ周波数帯域におけるこれらの介入の有効性を総合的に評価するためには、さらなる研究が必要です。
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