補足的なスペッツラー・マーティン分類は優れているか?AVM マイクロサージェリーにおけるリスク層別化の比較研究。
DOI:10.1016/j.jocn.2025.111311
アブストラクト
Spetzler-Martin(SM)分類は、脳動静脈奇形(AVM)の分類として最も広く採用されている分類です。補足 Spetzler-Martin (Supp-SM) システムは、患者の年齢、破裂の状態、および病巣の拡散性を組み込むことで、手術のリスク層別化を改善するために開発されました。しかし、その予測的妥当性を比較したデータは依然として限られています。本研究では、単一の三次脳血管センターにおける AVM マイクロサージェリー後の術後神経学的合併症について、SM および Supp-SM 分類の予測的関連性を調査しました。2015 年から 2024 年の間に、術前塞栓術の有無にかかわらず、AVM の顕微手術を受けた 96 人の患者を遡及的に調査しました。術後合併症は、90 日後の修正ランキンスケール (mRS) スコアの悪化として定義しました。予測の正確性は、ROC 曲線、術後 mRS スコアとの相関、および Supp-SM リスク閾値を用いて分析しました。術後合併症は9例(9.4%)に発生しました。ROC解析では、SMスコア(AUROC 0.717;95%CI 0.55-0.88)とSupp-SMスコア(AUROC 0.667;95%CI 0.46-0.88)の間には有意差が認められませんでした(p = 0.3899)。しかし、Supp-SMスコアはSMグレードよりも術後mRS変化との相関がより強かった(スピアマンのρ = 0.269、p = 0.008)のに対し、SMグレードとの相関は弱かった(スピアマンのρ = 0.144、p = 0.161)。Supp-SMグレードが6未満の患者では合併症リスクが3.2 %であったのに対し、6以上のスコアでは20.6 %(p = 0.009)でした。Supp-SMの閾値6は、高リスクと低リスクの外科的適応患者を区別する際に最も高い鑑別精度を示しました。SMとSupp-SMのグレード間には有意な予測差は認められませんでしたが、Supp-SMスコアが6以上である場合、合併症リスクが著しく高かったです。これらの結果は、AVM患者における外科的リスク評価の補助手段としてSupp-SMグレードの併用が有用であることを支持しています。
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