ヒトパピローマウイルス(HPV)の12歳未満の集団における有病率:メタアナリシスと系統的レビュー。
DOI:10.1016/j.jiph.2025.102814
アブストラクト
背景: 子どものHPVの有病率は、異なる集団で研究されてきました。しかし、研究間の異質性は顕著であり、この集団におけるHPV感染の総有病率は十分に理解されていません。方法: 12歳未満の集団におけるHPV感染の有病率に関する研究を、系統的レビューとメタアナリシス手法を用いて探索し分析しました。口腔咽頭、鼻咽頭、および/または肛門性器の検体におけるHPVの検出を調査した研究が対象とされました。メタアナリシスの inclusion criteria として、HPVの有病率、検体種類、および年齢が考慮されました。結果:1994年から2021年までに発表された15件の研究(総対象者数2,638名、年齢1日~12歳)が分析されました。この集団におけるHPVの総有病率は14.7%と推定され、1歳以上の小児で最も高く25.4%を占めました。さらに、検体種類では口腔内綿棒が最も高い感染率を示しました。HPV陽性の母親から生まれたHPV陽性の子供の割合は3%から55%(中央値:17.5%)と幅広く、一方、HPV陽性の母親から生まれたHPV陰性の子供の割合は0~19.7%(中央値:5.55%)に減少しました。
結論:現在の分析結果によると、子どものHPV有病率は比較的高い水準にあり、特にHPV陽性の母親から生まれた子どもを対象とした若年層におけるHPV感染の獲得状況に関する前向き研究とモニタリングがさらに必要です。乳児期以降のHPVの持続率を評価する追跡研究を実施することで、HPVワクチン接種プログラムや政策立案における潜在的な影響を明らかにすることが重要です。
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