小児頭蓋内海綿状奇形に対する磁気共鳴ガイド下レーザー間質性温熱療法(MRgLITT):症例シリーズと文献レビュー。
DOI:10.1007/s00381-025-06839-9
アブストラクト
目的:頭蓋内海綿状奇形(CM)の治療はマイクロサージャリーによる切除が標準であるが,特に深在性病変や小児患者に対する低侵襲的アプローチが人気を集めている。磁気共鳴ガイド下レーザー間質性温熱療法(MRgLITT)は、開頭手術に代わる可能性のある治療法として注目されている。本研究の目的は、小児海綿腫に対するMRgLITTの安全性と有効性を評価し、既存の文献をレビューすることである。
方法:MEDLINE(PubMed)、Scopus、Embase、およびCochraneの各データベースにおいて、「LITT」および「海綿体腫」に関連する用語を用いて系統的検索を行ったところ、小児患者におけるMRgLITTの治療成績を報告する研究が同定された。人口統計学、症状、病変の特徴、および転帰に関するデータが抽出された。統合データベースには、文献から得られた症例と、われわれの施設であるナポリのサントボーノ・パウシリポン小児病院で治療された4例が含まれた。
結果:8例の小児症例を対象とした3つの研究と4例の施設症例を追加し、合計12例を解析した。てんかんの転帰は良好で、Engel class IAが2例、class ICが1例、class IIが1例であった。再発や出血はみられなかった。2例に永続的な合併症がみられ、1例は右上四分円視野、もう1例は片側難聴であった。
結論:MRgLITTは開腹手術に匹敵する治療成績が得られ、特に深部病変に対する侵襲は軽減された。熱モニタリング、神経生理学的モニタリング、および機能的MRIの統合の進歩により、このアプローチはさらに改良され、小児CMの合併症を最小限に抑えながら、その応用範囲が広がる可能性がある。
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