脊髄性筋萎縮症の新生児スクリーニングに関する経済評価の系統的レビュー
DOI:10.1177/22143602251336862
アブストラクト
目的:脊髄性筋萎縮症(SMA)の新生児スクリーニング(NBS)に関する経済評価の質と費用対効果を評価する。方法:コクラン・ハンドブックのガイドラインおよびPRISMA-Sチェックリストに従い系統的レビューを実施した。特定された146論文から22論文を全文審査対象とし、5論文を最終的に採用した。報告の質と透明性はCHEERsおよびQHESチェックリストを用いて評価した。レビューに資するデータを抽出した。結果報告の質が高いSMAに対するNBSの経済評価4件を同定した。各研究は同様のモデル構造を用いた費用効用分析を採用し、スクリーニングには決定木、治療アウトカムにはマルコフモデルを用いた。いずれもNBS+治療群と臨床診断(スクリーニングなし)+治療群を比較した。各研究の治療プロトコルは、検討された戦略や治療法の可用性の差異により異なっていた。全研究が社会的視点を含む分析を行い、30ヶ月から100年に及ぶ生涯期間を考慮した。早期NBS+治療は、全研究において遅延治療より費用対効果が高く、QALY当たりICER値は-117,541ポンドから714,000ドルの範囲であった。ICER値の幅が大きいのは、長期予後に関する仮定が依然として不明確なためである。結論:NBSと治療の併用は、NBSなしおよび遅延治療と比較して、全研究で費用対効果が高いと評価された。ただし長期予後には不確実性が残る。今後の研究では、長期的な有効性・安全性データの収集と、無症状期治療の費用対効果評価に焦点を当てるべきである。
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