口蓋に発生した複雑な乳児性血管腫:新生児患者の症例報告と文献レビュー。
DOI:10.1186/s13052-025-02030-7
アブストラクト
背景:乳児期血管腫(IH)は新生児で最も一般的な良性血管腫であり、満期産児の5~10%に発症します。口蓋に発症するケースは稀です。通常は自然治癒しますが、複雑なIHは重大な合併症を引き起こす可能性があり、特に重要な構造物を侵襲する場合にリスクが高まります。
症例報告: 満期新生児に、硬口蓋に2×2 cmの突出性病変を呈し、哺乳困難、貧血、反復出血を伴う症例を報告します。生後11日目に開始した経口プロプラノロールの早期投与が、この複雑なIHの管理に有効でした。治療は0.5 mg/kg/日を開始し、徐々に3 mg/kg/日まで増量しました。これにより、潰瘍の迅速な治癒と病変の退縮が認められました。8ヶ月間の追跡調査では、治療の有効性と安全性が確認され、副作用は報告されませんでした。この症例を背景に、PRISMAガイドラインに従った系統的文献レビューを実施し、頭頸部新生児IHに対するβ遮断薬の治療に焦点を当てました。2015年から2024年までに同定された1,052件の論文のうち、関連する研究は4件のみでした。これらの症例は、プロプラノロールが新生児を含む複雑なIHの第一選択治療法としての役割を強調しました。しかし、レビューでは診断の困難さ、特に硬口蓋のような非典型的な部位での診断遅延が治療遅延の原因となる可能性が指摘されました。
結論:本症例と文献レビューは、高リスクIHの管理において早期診断と多職種連携の重要性を強調しています。プロプラノロールは、修正胎齢45週未満の新生児では潜在的な副作用のため通常は使用を避けますが、当院の findings は、病院内での厳重なモニタリング下での安全な投与が可能であることを示唆しています。本報告は、新生児IHに対するプロプラノロールの安全かつ有効な治療法としての根拠を強化し、この脆弱な集団における治療プロトコルの最適化に向けたさらなる研究の必要性を強調しています。
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